生き延びたオルゴールの力 〜ネット・オルゴール博物館〜

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● 今日に生き延びたオルゴールの力

オルゴールの職人が姿を消し、大型の優れたオルゴールが売り払われるともう造る職人がいなくなりました。 ほそぼそと小さなオルゴールを作る一団の職人がこの技術を受け継いで今日に至りました。今日オルゴールを 改めて見直してみると、優れた特性に気が付きます。

オルゴールは、生の音を再現出来ること、美しい音色を持っていること、美しさを求めた結果、低周波・高周波を同時に持つ、優れた音響機器であること、その為にお腹の赤ちゃんに音楽を丸ごと記憶させることが出来ること、生の美しい音に心を癒されること、美しさは情緒を深める効果のあること、

ゼンマイで自動で演奏出来ること、手で持ち運べること、その為に好きなときに好きなところで聞くことが出来ること、
そして、お母さんのお腹の上で胎教に使われていること、
おやすみのテンポに合わせて段々遅くなるのは、眠りの環境を作るのに役に立つこと、
強弱を付け過ぎない為に万人に愛されること、繰り返す音楽は身体に一つ音楽 を入れ込む音楽教育に役に立つこと、同じ曲を繰り返すのは思い出を乗せる役目をもっていること、

オルゴールの欠点はまた背中合わせの長所であることが現代の科学を通して認識されようとしています。職人達が求めた美しい音、気持ちのいい音は、人間の、または動物の生きていく為に最も大切な響きを持っていることをあの職人達は感性で解っていたのでしょうか?

 NHKの元国際プロデユーサーの馬場建次さんは、「私達の創り上げた映像は、生の世界を紹介する為のカタログだったと気づきました」と言われました。私たちの身体が生の世界を求めているとしたら、その大切さを見事に言い当てられているのではないでしょうか? 

 電気的録音や再生音も映像の世界も優れた文化を創りました。エジソンの蓄音機も、ラジオもテレビも、テープやビデオもLDやその他あらゆる種類の電気や電磁を利用した機能は人類に大きな役割を持ちました。その高い芸術性を否定出来ないでしょう。

 しかしオルゴールの持つ、生の美しい音楽を自動で繰り返す特性は、またその本質として、今の時代に大切なものを持っていると思います。
音楽療法を長く研究されたある著名な先生は、「民族音楽のほうが私たちに良い効果を持っているのではないか?それよりも森の中の音楽の環境こそが大切ではないか?」と疑問を投げ掛けておられます。

 生き物達に大切なのは、むしろ豊富な音の世界・響きにあるのではないでしょうか? 一つの結論がここにあるように思います。

 オルゴールで育ち、多くの音楽に触れて、そして、またオルゴールに戻って来たとき、その質の高さに驚かれることでしょう。オルゴールの職人の感性に触れて多くの涙を見てきました。オルゴールが今日生き残っているのは、偶然ではなく、私達が求めているもの、忘れてはならないものが存在することを私達は、本能的に見分けているのではないでしょうか?

 とすれば音を極めた、また音楽を極めた芸術家の恩恵を素直に受け入れることも、自然を大切にすることも私達の勤めではある のでしょう。オルゴールを聴くときに、とても素直な気持ちなったり、多くの方が穏やかなお顔を見せるのも頷ける気がします。

 オルゴールの素晴らしさを多くの子供達からも教わりました。あどけない赤ん坊の表情に、長い病気の床で、子供を思い出して涙の止まらないお母さん、仕事仕事で忙しい男性が涙をこらえて聞き入るとき、疲れを取るのにポケットにオルゴールを持ち運ぶ元大学の学長先生に、また結婚間際の若い女性の美しい笑顔を見るとき、オルゴールがどんなにお役にたっているかを実感します。

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