スイスとオルゴールの歴史 〜ネット・オルゴール博物館〜

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● スイスとオルゴールの歴史

スイスは1990年に建国700年を迎えました。九州程の大きさの国に650万人の人口を抱え、峻厳な山と湖の美しく、空気の澄んだ箱庭の国です。

 観光立国、金融と銀行の多い国、加工貿易国、永世中立国、防衛の為のハリネズミの国、核シェルターの最も充実している国、皆兵制度を取り、各家に自動小銃が置かれ、3日で60万人の民兵を集める臨戦態勢の取れる国として知られています。

 その昔スイスは、なんの地下資源もない国で困窮の時代を永く送ります。自国の経済を維持するために、他国の傭兵として欧州の列国の王国に雇われていきます。

 勇敢なスイス兵は欧州の国々の評判となり、王国は競ってスイス兵を雇い入れました。そして常に先兵として戦場で華々しい戦果を上げることになります。

 ヨーロッパを2分して戦うスペイン王位継承戦で、スイスは多くの自国の兵士を亡くしました。約5万のスイス兵が犠牲となったのです。またフランス国王ルイ16世を最後まで守り抜いて全員が非業の最期遂げます。 オーライオン

 その壮絶な戦いで命を落としたスイス兵を悼んでルッツェルンの岩盤に「瀕死のライオン像」を彫りつけ、スイス人の根底に流れる命を掛けた痛恨の像として、その象徴として今も大切にされています。

 スイスを知る上で欠くことの出来ないモニュメントとして広く知られています。

 多くのスイス兵を亡くして、スイスは傭兵で自国を維持することを反省し、自国の産業を興して、外貨を稼ぐことを決心します。

   大自然の隅々まで道路を通し、岩盤をくり貫いて鉄道を敷き、峻厳な山上へケーブルを架け、ロープウエイを吊り、湖にボートを浮かべます。

 観光事業で国を富ませます。多くの岩場の石を取り除き、草を育て、牛を飼って、世界一の酪農国となります。冬場の内職に刺繍やレースが生まれ、この技術を高める為に、イギリスから織機を輸入し改良を加え、外貨を稼ぎました。

 布の染織の技術は化学産業を発展させます。新幹線ブルーといわれる塗料はスイスの塗料が使われ、岩盤を掘る掘削技術は青函トンネルに活かされました。

 こうして工作機械も印刷機械もスイスはその勤勉さと努力で技術を高め付加価値の高い製品を送り、世界の信用を得ることになります。

 医薬や食品産業の発展も見逃せません。ドイツからやって来た時計の技術を高めて世界一の時計産業を育てました。その時計の技術からオルゴール産業が生まれたのが1796年です。

 こうして様々な産業を発展させ、世界をリードする商品に仕上げ信頼を得て、世界一の富裕国となりますが、スイス人の奥にある苦しい時代の思いが今日のスイス製品に生かされているのです。

 このオルゴールが150年を経て動き続ける丈夫さや、また美しさの奥にある頑固なスイス人気質の深さも理解出来るようです。

  photo:オーライオン・スイスオルゴール友の会




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